2005年度ケースメソッド教授法: 第１会合「ケースメソッドを理解する」（10/1）アーカイブ

2005年10月01日

(1)講座の概要説明

10:30 ご挨拶（高木教授）
　10:35　講座の説明
社会人レベルの受講者に対してケースメソッドで教えられる人材を育成するための授業
学部、大学院レベルのFDはあるが、社会人大学院or社会人向け教育のFDはほとんどない
社会人に対して知識を習得する座学講義はふさわしくない、もっと複雑
　10:38 共同講師自己紹介（竹内先生）
　10:40 授業説明
○coreセッションとオプショナルセッションについて
core＝教え方（５回）　オプション＝FD、orPD（２回）
（ほぼ全員オプショナルセッションにも参加）
○授業の目的
ケースメソッド教育が別の場所で再現する
（「学びの共同体」を形成する）
ビジネスシーンでリーダーシップを発揮する
○本講座の特色
ディスカッションリードには実験台が必要
ケースディスカッション受講者の「プロ」がいる、このような場はめったにない
○本講座で学べること
ケースメソッド教室で起こっていることを教材にしているので、
１．教材（ケース）自体を討議することも学びになる
２．ディスカッションリードを行うことも学びになる
３．リードをやっていることを見てリードを学ぶ
　10:50　運営上の諸注意、お願い

投稿者 motmaster : 12:04 | コメント (0)

(2)「ケースメソッド」について

○「ケースメソッド」とは
英語では、casemethod of teachingまたはcasemethod of instruction
教え方・授業方法にフォーカスした言葉である
ケースメソッド教育がケースメソッド授業よりも広義で使われる
（ケースメソッド教育＞ケースメソッド授業）
○ケースメソッドとケーススタディ
・ケーススタディ＝「事例研究」
・ケースメソッド＝教え方の方法　cf.　casemethod reserch
ケーススタディは考察、研究した結果の結果物が教材物のことで、事実・知識として知るという行為に使うのは良いが、教育方法という意味で使うことはない
・ケース＝教材のことであるが、単語の第一義は「事件」なので、「ケース教材」と表現するとはっきりする

投稿者 motmaster : 12:09 | コメント (0)

(3)ケースメソッドの定義

①特定の訓練主題が埋め込まれたケース教材がディスカッションの誘発材料として使用される。
②ケース教材によって誘発された討議を行うことにより、討議のその先に初めて存在する「学び」に到達するようディスカッションリーダーが討議の舵取りを行いながら誘導している。
③ディスカッション授業は教育のための目的行為であるが、そこに参加しているメンバーは全員が自立主体的であり、自分たちの討議を自分たちで築き上げようとしている。
④ディスカッション参加者は討議への参加価値観として「勇気」「礼節」「寛容」を重んじて協働的な態度で議論している
⑤講師と参加者は「教える側」と「教わる側」の関係には終始しない。講師も参加者から学び、参加者も学びのプロセスを主導する場面がある。

・一方的に講師から伝えるということではないということを理解して頂きたい
・講師も参加者から学ぶこともある
・圧倒的に知識があるということはあり得ない
・参加者の知識を集結しながら新しい「知」を創造する
・みんなで教え合っている状態
・進行上の責任を他の参加者よりもより多く持っているのがリーダー

　＜イメージ図＞