2005年10月15日

(1)レクチャー

本日のテーマは「討議から学ぶことの価値を考える」です。

<授業風景 (クリックすると拡大します)>

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(2)デモケースディスカッション

ケース名:「噛み砕いて教えてもらえるのも魅力です」
ケースリード:福島浅次郎さん
討議時間:50分
事前設問:
設問1)貴方は、MBA2年生の峰島さんが、「ケースメソッド授業」について、
     この参加者にもう少し理解が深まるように説明してもらうとすれば、
     参加者に対してどのような「質問」をさせればいいと考えますか?
設問2)峰島さんの発言の中に、「経営上の問題に対する答えには『正解』が
     あるわけではない」というのがありました。参加者はこの意味がよく
     わからない様子です。
     貴方が峰島さんに代わって、そのことを説明するとするならば、どう
     しますか?
設問3)この二人のやり取り(コミュニケーション)の「在り方」に何か問題が
     ありますか?あるとすればどのようなところでしょうか?又、何故
     それが問題なのでしょうか?

進行:
11:43 参加者の立場でどんなことを質問すべきか。
12:10 峰島さんの立場でどんな説明をすべきであったか。
12:15 経営上の正解がない、ということについて
12:25 両者のコミュニケーションの問題点は?
12:32 まとめ

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(3)デモケースディスカッションの振り返り

福島さんの感想:
だませないなあ、というのが実感。
どんなことが帰ってくるかを想定しながら考えていたらブラックホールにはまってしまった。

議論したいことができたかどうか:
・設問1について、質問のシチュエーションのイメージが浮かばず、参加者の一員になりきれなかった。
・短いケースなので設問がない方がいろんな意見、見解が出たのでは。
・自分の議論したいポイント(参加者がお客さんという視点で見た場合)
・リーダーの進めたい方向が設問で見え隠れしていてやりづらかった。
・イチローと松井の議論のところをもう少しふくらませれば良かったのでは
・設問2で議論が盛り上がったので、設問3に進まずに、2で議論し続ければよかったのでは。
・「経営に正解がない」という点はこのケースのメインテーマではなかったのでは。
・ケースメソッドでの授業のメリット
○したかった議論の幅は非常に広かったと思われる
○その中で多くの人が掘り下げたいテーマを発見して議論でききってなかった
○多様な議論が出ることの功罪、多様すぎると雑になるという
○多様性の中から一歩突き抜けた時に何か出てくるもの

テクニカルなもの
・最初にMBA生にあてたのでテンションが下がった
・こういう答えを引き出したい、という気持ちが伝わってきたような気がした
・発言者の内容を繰り返すことが多かった
・箇条書きが発言への拘束力を持つ場合がある
・質問をどんどん並べて書いた方がよかったかもしれない
・時間が少なくなって次のポイントに進みたいときのきっかけは?
 →時間配分は大切、
○設問の連続性があった方が良い
○講師側の設問の意図を開示しても良い
○「good questionを下さい」という発言が無意識のうちにプレッシャーになる場合もある
○リーダーの発言量が多い、参加者発言の言い直しが多かった
 →参加者の発言量する時間が減ってしまう
 →発言者によって引き出された意見を拾うことが多様性を突き抜けることにもつながる

高木先生
このケースで何を学ぶか
峰島さんの持っている問題を乗り越える
峰島さんが解決して行くにはどうすべきか
というのが実践課題であろう。
言葉の定義論に陥っているので、
設問1として、
「峰島さんの持っている困難さはどこから来ていますか。」
「どうしてそうなったのですか。」
いろんなことが原因で困難な状況に陥っているので、それを抽出・整理することで、問題解決策が見えてくるのでは。
そして、設問2として、
「彼にどういうアドバイスをしますか。」
「ここに至るまでにどうすべきでしたか。」
「ここに至ってしまって、どうしたらいいですか。」

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(4)デモケースディスカッション

ケース名:「今日の授業に失望しています」
ケースリード:内藤素子さん
討議時間:50分
事前設問:
1.(関係者 または、この研修に関わる各人にとって)
   この研修の中での「学びのねらい」は何だったのでしょうか?
2.あなたが、田中さんであれば、この後の研修の中で
   どのような対応をし研修を終了させますか?
3.ディスカッションリーダーは、どのような視点や行動を取る事で
   参加者がより満足の高い学びを得る時間を創り出せるでしょうか?

進行:
14:45 それぞれの立場で研修のねらいは何だったか
15:03 学びのねらいを考えながら田中さんの立場であればどのように研修を収束させるか
     →その問題自体をケースとして取り扱う
     →「ありがとう」という、謝る・・・・
15:20 新たに研修に行くときにどんな事を考えて臨むか


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(5)デモケースディスカッションの振り返り

内藤さんの感想:
・設問1は大体答えが予測されたが、設問2から3に移るときにどうやってもっていくかが
・発言の言葉を拾ったり、理解して集約する作業がとても大変だった。

議論したいことができたかどうか:
・反応、立ち振る舞いがよかった
・事前準備がとてもできていた
・チョークの色の区別は → 感覚的、途中でわからなくなった
・聞く姿勢がよかった
・黒板に書かれなかった発言者は気にするかも
・発言していない人にも振る工夫が必要
・声の大きい人に反応してしまう
・全員に発言を求めるときのテクニック
○手を挙げてない人にあげてもらうためのきっかけ
 →「今まで上げた人は待って、まだ上げてない人」
 →指名する時のルールを変える(声を出した人、上げ続けてもらうなど)
■グループディスカッションとクラスディスカッションの関係
・同じ事を議論するのか、納得できていることはやり過ごして良いのか
 →グループ討議はクラス討議に持ってくることの準備
 →グループ討議で話したことを持ち出しても良い
 →事前に声を出しておくことによって考えが自分の中に保持できると、クラス討議の立ち上がりが早い
 →ケースの記述の意識あわせをする
 →クラス議論は全体の流れ、潮時がある、
  参加者にとってタイミング探し=場の流れを読んで自分の話題をどう盛り込むかということも教育
 →受講生同士の声の掛け合いは重要だが、メンツの保ち合いにはならないように
■全員が発言する必要があるか
 →全員に発言を求める必要はないであろう
  「今日のケースには議論に加わりたくない」という人がいるという前提で臨むべき
 →全員が見えるように立ち位置を変える

テクニカルなもの
○黒板は素早く書きながら参加者を見る
○流れを変えるために、あえて指名を変える
○設問の切り替えはある程度ばさばさと切り替えてよい
○設問1の重要性

○このケースの訓練主題
・当事者間の教育達成の分担、責任を負うか
・ディスカッションリーダーが負うリスクを考える、リスク回避手段を考える

○ファシリテーション、ファシリテーターとの違い
・ディスカッションリーディングの中に含まれる
・ファシリテーティング=整理すること
・ディスカッションはそこから先みんなで新たな知を創造する

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(6)ビデオ&スタディ

ビデオ教材
ケースリードの良い例、悪い例を見て検討

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○ケースのスタートアップについて
レクチャーの切り出しとケースディスカッションの切り出し
ディスカッション授業をするにあたっては

○ケースディスカッションの終わらせ方について
・一旦終わらせて議論したい人だけ残る
・もっと手前から着陸態勢に入っておく
・意見がある人から何らかの方法で受け取ってレスをする
・残り時間を受講者にも認識させる

○理想的なディスカッション
・段々発言が豊かになっていくようにリードする
 →単語から文脈を持った文章に
・リーダーと受講者の距離感が縮まる
・準備してきたものを発言するうちに、討議中に気付いたこと、発見をどんどん発言する
 → 創発的な発言
・参加者が主体的に発言、議論を展開している
・講師が自分の意見を言いたいときには「自分の意見を言いたい」ということを表明してからが良い
 →立場上それが正解と思われてしまうので講師の立場ではなく、ということを言う
・生徒同士の価値観が異なる者同士の議論を止める
・講師は知識で勝っている訳ではなく、講師よりも詳しい者からは真摯に聞く姿勢
・意見を深めたい方向にリードしていくことも大事
・参加者のコンテクストが合致し始めて一つの方向に深まっていく
・前置きなしに別の話を始めたらどうすべきか
 →黒板を使ってコントロールする
   関係ない話もメモを取っておいて、元の話題に戻す
   時間がなくなってきたら、最後に講師がまとめの時にそのことを話す
・クラスでやっていることは、協働作業であり、その自覚した発言が出てくる


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