2005年11月26日

(1)レクチャー「非指示的に教える」

今日のテーマは「非指示的に教える」です。
○前4回の振り返り
第1回「ケースメソッドを理解する」
第2回「討議から学ぶことの価値を考える」
第3回「参加者を理解する」
第4回「学びの共同体を築く」

○リーディング教材の感想

○非指示的に教えるということをケースメソッドの学びについて説明
ケースメソッドで学ぶ側
自己モデルが揺らぐ場
大人の学習とは「自己モデルの更新」である
それに必要な3要素は、
・現実物を扱う      
・主体性を持つ場を持つ  =ディスカッションの場
・発話する         
ケースメソッドで教える側
自己モデルを揺らがせる場
それに必要な要素
・プロセスを設計する
・プロセスをリードする
  →だまって見届ける
  →きっかけを作る
  →背中をそっと押す etc

○CF.教えようとすると学ばなくなる
→教えようとすると相手はモデルを変えようとするスイッチを切って吸収モードに入ってしまう

○高木先生より
「経営力」を身につけるためには時間の経過に伴って変化する必要がある
その経過を把握することがモデルの変化
例えば芸能の世界では実技でしか伝授できない部分があり、経営も同様な部分がある
経営力を学ぶにも経験・実技・時間の経過が不可欠である。
実践力を養う教育を教室内で行う
頭の中イメージ・シミュレーション
筋肉を使う、体の移動、相手とのやりとり、
概念把握、その入れ替え、これらを教室の中で行う
現実感を伴ったモデルの転換を行っている


<板書(クリックすると拡大します)>

投稿者 motmaster : 10:33 | コメント (0)

(2)ケース討議「この授業は難しすぎます」

ケース名: 「この授業は難しすぎます」
ケースリード: 鈴木直志さん(中小企業基盤整備機構)
討議時間: 50分
設問時間:
【設問1】 神田川教授と学生の間に授業について、どのようなズレ(考え方・イメージの違い)が生じているでしょうか。

【設問2】 あなたが神田川教授ならば、来年のクラスをどのように運営しますか。
     (具体的にやり方をどのように変更しますか?)

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進行:
11:45 神田川教授と学生の間に授業について、どのようなズレが生じているでしょうか。
12:10 なぜこのようなずれが生じているのでしょうか。
12:23 あなたが神田川教授ならば来年のクラスをどうしますか。


<討議の板書(クリックすると拡大します)>

投稿者 motmaster : 11:51 | コメント (0)

(3)ケース討議「この授業は難しすぎます」の振り返り

鈴木さんの感想:
想定していた意見が出なかったので苦しかった。特に「ズレ」の部分で自分が想定していない意見が出た。
はじめにあまり手が挙がらなかったので焦ってしまった。
(竹内さんより)
発言の出づらい討議をリードするのは大変であるが、それ

コメント:
・発言が出なかった理由として設問1が難しかったのではないか。
「ズレ」の基軸が色々ある。
・慣れてくると自分の発言をどのタイミングで行うかということを考えるので最初は発言しづらい。
・それぞれの役割を考えながら「学びの共同体」を構築しようとしていた結果かも。
・黒板で対比をもっと明示させれば整理しやすかった。
 →討議の構造化
 =黒板の構造化
対立軸を作ったり、登場人物の立場ごとの考え意見
参加者と合意の上でのフレームワーク作り
最初に出てきた構造をそのまま使うか、それとも自分の構造に取り込むか
・頭の中で構造を持っておき、まず意見を出してもらいながら想定した場所に書いてあとからタイトルを書く
・いくつかフレームを持っておくことが良い
・「皆さんはこういう討議をなさりたいのですね」と問いかけながら参加者と合意を取りながら進めていくことも有効

投稿者 motmaster : 12:41 | コメント (0)

(3)ケース討議「本田宗一郎とその息子たち」

ケース名: 「本田宗一郎とその息子たち」
ケースリード: 八木さん(KBS博士課程)
討議時間: 50分
設問:
1) 本田宗一郎の組織マネジメントスタイルと、久米是志ら若手リーダー達がとった組織マネジメントスタイルの特徴を比較し、それぞれの長所と短所を考察しなさい。
2) ホンダのような開発組織の人材が、高いパフォーマンスをあげる上で不可欠な要件とは何であったかを考察しなさい。
3) 設問2)の答えに対して本田や久米らの組織マネジメントスタイルがそれぞれどのように影響を及ぼすことが出来たかを考察しなさい。
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進行:
14:45 本田宗一郎と、久米若手リーダー達がとった組織マネジメントスタイルの特徴をして下さい。
15:07 皆さんだったらどちらの会社に入りたいと思いますか。
15:17 ホンダが高いパフォーマンスを上げた要因は。
15:28 開発組織の人材が高いパフォーマンスを上げる環境、要因は。
15:37 設問1,2をまとめながら設問3に移る


<討議の板書(クリックすると拡大します)>

投稿者 motmaster : 15:00 | コメント (0)

(5)ケース討議「本田宗一郎とその息子たち」の振り返り

八木さんのコメント:
・どのような進め方をしたか
2種類のマネジメントシステムがあるということ、開発人材が高いパフォーマンスを上げるために必要な条件は。
・進め方の自己評価
学んだ感が深まるように進めたかった。前半の方が入りやすく、後半は今ひとつだったのではないか。

皆さんの感想:
何を学んだかを考えながらコメントして下さい。
・本田と久米の対比をさせることの意味
 →共通性の方が多いので議論しづらかった
 →うまく世代交代ができたから上手くいったと考えていたので対比させることに違和感があった
・参加者がやりたい議論とリーダーが進めたい議論が違っていたのでは。
・実務的な議論をしたい人とリーダーシップをきちんと議論したい人に分かれてきたようだが。
・リーダーが違和感が出てくるような意見が出たときにどう対応するか

本田さん、久米さんという固有名詞でできるような議論ができればと考えていた
一般論的に議論すると範囲が広がるので、開発型組織に絞った

・リーダーに答えがあるような気がした

単に発言が出続けているのか、目的に近づきつつあるかの見極めが必要

投稿者 motmaster : 15:49 | コメント (0)

(6)ビデオ&スタディ「挙手と発言を適切に扱う」

ビデオ教材:
賛成反対の意見を明確に述べてもらう場面と意思表示なしで言える場面両方あり得る、予め明示する
物理的に移動させることもある
参加者に高いハードルの発言を求めるときにはリーダーもその内容の研鑽が必要
高いハードルの発言を求めるときにどう扱うのが良いか
→間違えた時には指摘をするが、再度挙手してきたときには必ず指名する
→間違えた発言をその通りに黒板に書いて、後から参加者の指摘を待つ

投稿者 motmaster : 16:25 | コメント (0)